溶射皮膜の概念を一新させたVPS新機能皮膜
VPS(Vacuum Plasma Spraying)溶射法とは

内部の空気を一旦パージしたあと、減圧下で不活性ガスを封入し雰囲気調整したチャンバー内で行うプラズマ溶射法(※1)をVPS溶射法と呼びます。この溶射法は次のような特徴を有しています。
- ■ 材料特性が損なわれないため、設計通りの特性を持った皮膜が得られる。
- ■ Tiなどの活性金属の成膜ができる。
- ■ 溶融粒子の飛行速度が大気中でのプラズマ溶射よりも速く、より緻密で高い結合力をもつ皮膜を得ることができる。
など、先端分野と深い係わりのある高機能皮膜形成には不可欠な溶射法です。

気体が高温となり、ガス分子が原子に分離しさらに電子と陽イオンに分解(=電離)した状態の集団気体をプラズマといいます。このガスを収束した高温高速のガス噴流つまりプラズマジェットを利用して、金属・合金から高融点材料の代表とされる各種セラミックス、セラミックスと金属あるいは合金とを組み合わせたサーメットの粉末材料を溶融し噴射する溶射法をプラズマ溶射法といいます。大気中で行う溶射法(APS)と雰囲気と圧力制御を行ったチャンバー内で行う溶射法(VPS)があります。