IR情報経営方針対処すべき課題
世界を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症拡大における経済の落ち込みもワクチンの普及などにより、徐々に回復基調をみせております。ただ、一方で自然・社会・経済のいずれにおいても予期せぬ事態が度々発生しており、今なお不透明な状態が続いております。このような中で当社グループを取り巻く事業環境も先行きが見通しづらい状況ではありますが、ビジネスチャンスを確実に取り込むための積極的な経営資源の投入を継続して進めてまいります。
また、事業の展望としましては、半導体・FPD分野はもとより、中期経営計画で取組みの強化を打ち出した環境・エネルギー分野、及び当社を支える事業基盤である基幹産業分野への積極的な取組みを図ってまいります。
持続的成長を続けるために当社が重点的に取り組むべき課題(マテリアリティ)として以下5項目を定め、それらの達成に向けて取り組んでまいります。
(1) 先進的皮膜開発と潜在市場の開拓
人の暮らしの基盤(デジタル化、インフラ、医療、農業など)を支える高機能皮膜の開発、自然エネルギー発電(風力、水力、地熱、蓄電池など)の普及・効率化に資する皮膜開発、温室効果ガスの排出量削減(脱化石燃料、リサイクル設備など)に資する皮膜開発などを重点的に推進いたします。また、顧客への最適なソリューションの提供による潜在市場の開拓を図ってまいります。
(2) 環境負荷低減への対応
脱炭素化(カーボンニュートラル)に向けた取組みについては、化石燃料を使用しない溶射手法の検討と加工プロセス改善による電力使用量削減に取組みます。あわせて再生可能エネルギーの活用や廃棄物削減(リデュース・リユース・リサイクルの3R活動)及び環境保全への取組みを引続き推進してまいります。
(3) ものづくりの高度化と品質向上
製造プロセスの高度化と効率化については、自動化・IoTの推進と新規成膜技術の実用化をさらに強化し実現を図ってまいります。また、品質管理体制については、品質システムの運用(ISOなど)やPQP(Product Qualification Plan/製品品質保証計画)の構築を進め、さらなる強化を図ってまいります。
(4) 多様な人財の育成と活躍
技術伝承やグローバル人財の計画的育成を行うと共に、社員がイキイキと働きやすい環境の整備に注力してまいります。また、ダイバーシティ推進室を立上げ、女性、外国人、障がい者、中途採用者等を含めた全ての社員が能力を存分に発揮し活躍できる社内風土の醸成を進めてまいります。
(5) コンプライアンスの徹底
企業倫理(社会良識、倫理・道徳、環境配慮、地域貢献など)に則った行動を社員全員に啓蒙すると共に、ESGを重視した経営により社会への貢献を果たしてまいります。
(2022年3月期 有価証券報告書より抜粋)