サステナビリティ環境廃棄物削減・環境保全

トーカロは、事業活動、製品、サービスが係わる環境負荷を常に意識し、廃棄物削減、有害物質の適正な管理などを通して、汚染の予防および継続的改善に努めています。

化学物質などの適正な管理

PRTR法に則り、化学物質の排出・移動量を届け出ています

トーカロは、2024年度、指定化学物質の環境への排出量、および移動量につき、PRTR法(Pollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出制度)に従い7物質について届け出を行いました。なお、排出においては法の規制基準を満たしています。

2024年度のPRTR法 第一種指定化学物質の排出・移動量
  排出量(kg) 移動量(kg)
  大気への
排出
公共用水域
への排出
当該事業所に
おける
土壌への排出
当該事業所に
おける
埋立処分
下水道への
移動
当該事業所の
外への移動
(産廃)
クロム及び
三価クロム化合物
5.6 0 0 0 0 4,360
コバルト及び
その化合物
1.5 0 0 0 0 917
トルエン
  1. 1,200.0
0 0 0 0 73
ニッケル 6 0 0 0 0 5,780
ニッケル化合物 4.1 0 0 0 0 990
ほう素化合物 0.0 0 0 0 2 10,500
炭化けい素 49 0 0 0 0 10,700
スクロールできます
  1. 大気への排出でトルエンが1,200kgとなっています。
    有機溶剤(シンナー等)に含有されている物質で、自然乾燥による蒸発量(揮発性有機化合物VOC)を使用量から推計した値です。

廃棄物の削減

一般廃棄物から特別管理産業廃棄物まで、全ての種類に対して適正な処理を行っています

  • 事業系一般廃棄物
    事業系一般廃棄物の多くを占めるものは、紙類です。当社では紙類の再利用・リサイクルに取り組み、製紙会社の協力を得て機密保持の上、溶解処理を行うことなどで削減に努めています。
  • 産業廃棄物
    産業廃棄物は廃油が34%と最も多く排出されています。これは、湿式研削機(ロールなどの研磨を行う機械)で使用するクーラントと呼ばれる研削油を添加した冷却水に由来するもので、90%以上が水道水で、廃棄後はセメント工場などの燃焼温度調整用に利用されています。
    続いて汚泥26%、廃アルカリ10%、混合廃棄物9%、鉱さい、ガラス・陶磁器くず、廃プラスチックがともに6%となります。
    汚泥や廃アルカリの多くは洗浄後の廃液で、ほとんどが水です。今後、蒸留ろ過して再利用を計画しています。
    混合廃棄物は、複数の種類の廃棄物が混在し、分別しがたいものを指します。
    鉱さいとは鉱物滓のことで、廃ブラスト材や集塵したヒュームなどの廃溶射材料です。
    廃プラスチックは、材料容器や副資材などに加え、油が付着した紙くずや木くずなどを含みます。
    ガラス・陶磁器くずは、耐熱レンガなどに加えセラミック系の研削材でリサイクルのできないものが含まれています。
  • 特別管理産業廃棄物
    ほとんどが、クロム含有材料(ステンレス鋼など)を使用する溶射で発生する粉塵を集塵機で回収したものです。溶出試験で規制値を超える場合があり、特別管理産業廃棄物として排出処理しています。
全廃棄物排出量の推移
全廃棄物排出量の推移
特別管理産業廃棄物の内訳
特別管理産業廃棄物の内訳
全廃棄物排出量/売上高の推移
全廃棄物排出量/売上高の推移

VOICE

廃油削減で実現する、環境と業務の好循環

泉 敏朗(明石工場 明石第二事業所製造2部機械2課)

泉 敏朗(明石工場 明石第二事業所製造2部機械2課)

明石播磨工場で主に機械加工業務(工作機械を用いた加工業務)にあたっており、機械のメンテナンスも含め担当しております私は、半導体製造装置部品(溶射品)の研削工程で使用する水溶性研削液の管理に日々携わっています。この研削液は継続使用により劣化するため、定期的に交換を行います。交換により排出される廃油は廃棄物として排出され、廃水処理業者での油水分離や濾過など適切な処理が不可欠です。

これまでの廃油処理では、年間約360tもの廃油が発生し、その処理や運搬の手配、関連する事務作業が私たちメンテナンス担当者の大きな負担となっていました。

こうした廃油処理を効率化するため、2023年に新たに廃油処理設備を導入しました。この結果、年間約360tあった廃油を95%削減し、年間18tまで大幅に減らすことができました。廃油処理や運搬のコストが約50%削減され、CO2排出量も低減。廃油回収に関わる事務作業も減り、業務効率の向上にもつながっています。

私は、廃油処理設備から排水される処理排水が、自治体の定める排水基準値を超えないよう細心の注意を払い、定期的な消耗部品の交換や清掃を行うことで設備の正常運転を管理しています。また、処理排水の水質分析も適時実施し、安全性を確認しています。

さらなる廃棄物削減に向け、使用中の研削液の汚濁防止にも工夫を凝らし、処理負荷軽減と消耗品交換頻度の削減を図っています。今後は他拠点への展開も視野に入れ、溶射部門と研削部門が連携し、溶射膜厚の最適化による材料・エネルギーロスの削減も進めていきます。継続的に環境保全に取り組み、会社全体で廃棄物削減を目指してまいります。

TOPICS

紙製の半透明クリアファイルを導入

当社のキャラクター「カエルンジャー」がデザインされたクリアファイルを製作​しています。これまではプラスチック製のクリアファイルでしたが、脱プラスチックによる環境負荷低減のため、2022年度から紙製の半透明クリアファイルを導入しました。

「透明で中の書類が見える」というプラスチック製のよさと、「環境にやさしい」という紙製のよさを掛け合わせ、半透明のトレーシングペーパー製クリアファイルにたどり着きました。

当初は試験的に一部の社内使用から始め、現在は展示会でパンフレットを入れて配布するなど、社外の方にも配布しています。
製作枚数は累計で1万枚となりました。これはCO2に換算すると、プラスチック製のクリアファイルと比較して、約858kg-CO2の削減につながりました。

ただ、プラスチック製のクリアファイルと比較すると、使用寿命や強度については少なからず改善点があります。より使いやすく、より環境にやさしい理想のクリアファイルを日々検討し、紙製クリアファイルを通して地球のことを考える機会を増やしていきます。

紙製クリアファイル
紙製クリアファイル

本社(神戸市)雑がみの資源化について

トーカロ本社(神戸市 ポートアイランド内)では、神戸市がポートアイランド・六甲アイランドの事業者を対象に実施されている事業者から排出される古紙(雑がみ)資源化の取組に2020年3月より参画しています。本社内で多く発生するシュレッダーダストを回収し、契約している運搬業者により神戸市の指定場所に運び込んでいます。

大気汚染対策

溶射の工程で発生した粉塵は、大気に放出せず安全に回収しています

トーカロの主要な加工製品は溶射による表面改質皮膜です。溶射は粉末または線材を材料として、燃焼炎(フレーム)やプラズマジェット中に供給して溶融加速させ皮膜を形成します。
加工工程の中で、溶融しなかった粉末や溶融加速させても付着しなかった材料は粉塵となります。これらの粉塵を直接大気放出せず安全に回収するのが集塵機(写真)です。

溶射は乾式法であるため廃液処理の問題はなく、集塵方法も主に乾式を採用しています。溶射専用の作業室(溶射ブース)に浮遊する粉塵は、ダクトで集塵機に送り込まれ装置内の織布や不織布でできたフィルターを通してろ過捕集します。フィルター表面に捕集した微粉塵層が厚くなると目詰まり状態となり、圧力損失が大きくなり集塵効率が低下するので、圧縮空気(パルスジェット)で間欠的に払い落とし、効率を復帰させる仕組みになっています。

回収した粉塵のうち、再利用できるものはリサイクルし、できないものは産業廃棄物として処理します。
なお、2024年度末時点で 硫黄酸化物(SOx)の発生は確認されていません。

カートリッジ式集塵機
カートリッジ式集塵機

土壌・水質汚濁対策

周囲の地域に直接影響を与える土壌と水質だからこそ充分な対策に努めています

神戸工場では、溶射ではない表面改質を行っています。除害処理の必要な工場排水は凝集沈殿設備にて無害化したあと、下水道に排水しています。排水の際は、水質汚染指標として設定した水質規制値を遵守しています。万が一工場排水が漏洩した場合に備え、コンクリートで浸透防止しており、かつ漏洩が迅速に分かるよう目視で確認できるところに配管などの設備を配し、さらに、漏洩水が拡散しないよう拡散防止材などを常備しています。その管理は、関係法令基準を遵守し、定期的な監視測定を実施するなど厳格な体制で臨んでいます。

工場排水の処理フロー(凝集沈殿設備)
工場排水の処理フロー(凝集沈殿設備)

騒音対策

防音壁を設置し、騒音測定も定期的に実施しています

当社の騒音に関連する特定施設は、主に空気圧縮機、集塵機などの送風機が該当します。しかし、特定施設以外にも騒音発生源はあり、これら設備は、建屋内への設置や専用の防音壁を設けるなどの防音対策を実施して、近隣へ迷惑をかけないように努めています。
また、定期的に騒音測定を実施して規制値内であることを確認しています。

専用機器を使った騒音測定
専用機器を使った騒音測定

水使用量の削減

地下タンクに水を貯め、再利用することで、水使用量の削減に努めています

当社が行う表面改質加工はドライプロセスが中心のため、水の使用はあまり多くありませんが、神戸工場では冷却や洗浄のために一定量の水を使用しています。以前は窒素冷却槽で使用した水をそのまま排水していましたが、現在では地下タンクに貯め、その水を洗浄槽で再利用することにより、水の使用を削減しています。今後も水資源の有効活用と環境への配慮を重視し、水使用量の削減に取り組んでまいります。

水資源の有効活用と環境への配慮
水資源の有効活用と環境への配慮

環境貢献団体への支援

当社の活動が地球環境保全の一助となるべく、以下の環境貢献団体への支援をはじめました。今後も緑化活動や生物多様性の保護などの環境保全活動を応援していきます。

公益財団法人国土緑化推進機構「緑の募金」に2024年5月に50万円の寄付を行いました。
「緑の募金」は、身近な地域や国内外の森林整備のほか、被災地支援や森林環境教育、海外の緑化支援等に役立っています。今後も当社は国内外の森林保全・緑化推進の取り組みを支援していきます。

​また、2022年8月から、WWFジャパンの法人会員として、WWFの環境保全活動を応援しています。

国土緑化推進機構理事長感謝状
国土緑化推進機構理事長感謝状

WWFは100カ国以上で活動している環境保全団体で、1961年に設立されました。人と自然が調和して生きられる未来をめざして、失われつつある生物多様性の豊かさの回復や、地球温暖化防止などの活動を行なっています。

WWFジャパンについて詳細はこちら
WWFジャパンについて詳細はこちら

社会貢献については以下リンク先で詳しくご覧いただけます。​
詳細はこちら

緑の募金:https://www.green.or.jp/bokin/​
​WWFジャパン:https://www.wwf.or.jp/​

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