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トーカロ株式会社 代表取締役 社長執行役員 小林 和也
代表取締役 社長執行役員
小林 和也

当社は、2021年に策定した中期経営計画の着実な実行を通じて、持続的な成長による企業価値の向上に注力しております。2023年3月期の業績につきましては、売上高および経常利益において、過去最高を更新することができました。今後、既存事業のさらなる強化を図るとともに、新事業領域の開拓にも積極的に取り組み、一層の成長をめざしてまいります。

第73期(2024年3月期)中間期の連結業績について

当社グループを取り巻く事業環境は、米中対立による半導体輸出規制の強化、原材料価格やエネルギーコストの高騰、円安傾向の長期化、不安定な国際情勢など、先行きが見通しにくい状況が継続しております。また、市場が一時的な調整局面に入っている半導体・FPD(フラットパネルディスプレイ)分野においては、一部では需要回復の兆しが見えるものの、期初予想どおり、当面は厳しい受注環境が見込まれます。
このような状況のもと、当社グループは、半導体・FPD分野の減収影響を最小限に止めるべく、鉄鋼、産業機械、環境・エネルギー分野などにおいて積極的な受注活動を展開するとともに、持続的成長に向けて、中長期を見据えた新市場開拓と新技術開発、一層のコスト削減、生産効率の向上に意欲的に取り組んでまいりました。
この結果、当第2四半期における当社グループの連結業績は、売上高が前年同期比10億25百万円(4.3%)減の229億71百万円、営業利益が同12億85百万円(23.0%)減の42億95百万円、経常利益は同14億42百万円(23.9%)減の45億90百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同9億33百万円(23.8%)減の29億85百万円となりました。

今後の業績見通し、舵取りについて

紛争地域の拡大による資源・エネルギー価格の高騰、世界を牽引してきた中国経済の成長率鈍化など不透明な情勢は当面継続していくと想定されますが、当社は表面改質技術のリーディングカンパニーとして、中長期的な視点で高機能皮膜や新規成膜プロセスの開発投資を継続し、いつも最先端を走り続けます。
半導体分野については、需要回復期に備えた生産能力の増強や微細化技術への対応力強化に現在も十分な投資を行っており、万全の受注受け入れ態勢を構築しつつあります。
また、環境・エネルギー分野を事業の柱に育てるよう、引き続き顧客ニーズの把握と、営業・製造・技術部門が一体となったソリューション力の強化に取り組み成果も出始めております。技術開発、営業力強化、品質向上を通じて、中期経営計画で目指す目標の達成を確実なものにしてまいる所存であります。
さらには、温室効果ガスの排出量抑制、サプライチェーンの連携強化、ダイバーシティ推進、人的資本経営など、サステナブルな社会の実現を目指したESG重視の経営を行い、100年企業を目指し、持続的成長と企業価値向上を推進してまいります。

株主還元について

当社は、株主の皆さまに対する利益還元を経営の重要施策とし、業績に裏付けられた成果の配分を通じて、積極的に株主還元の充実を図ってまいりました。第72期の業績を受け、年間配当金は前期比5円増配の1株当たり50円(配当性向41.4%)といたしました。
また、第73期(2024年3月期)についても1株当たり50円(予想配当性向51.7%)を維持する計画です。
配当性向については明確な数値基準を定めているわけではありませんが、従来は利益の3分の1以上を目安として安定的な配当の継続を重視しておりましたが、今後は、さらに充実させるべく利益の50%程度を目指していくことといたします。
また当社は、2023年5月に自己株式の取得(最大2百万株または20億円)を決定、ならびに自己株式2百万株の消却を実施しました。自己株式の取得ならびに消却につきましても、株主の皆さまに対する有効な利益還元のひとつであると認識しており、事業環境や財務状況などを考慮しつつ必要に応じて適切に実施してまいります。

中期経営計画の進捗状況について

まず半導体分野については、現在、調整局面にあるものの、中長期的には、まだまだ拡大成長していく分野と確信しており、当社としても、持続的成長に向けた投資を着実に進めていきます。技術開発や増産に対する投資をはじめ、生産現場の自動化などの生産性の向上に向けた取り組みを精力的に行っています。さらに現在主流の半導体のエッチング装置だけではなく、そのほかの半導体製造プロセスで使用する設備への表面処理加工についても技術開発を進めて用途拡大を図っています。​
半導体分野以外では、鉄鋼・紙パルプ・化学・窯業・非鉄金属など日本の基幹産業や、環境・エネルギー分野をターゲットとして、新たな市場の開拓を進めています。当社が保有する独自の表面処理技術を通じて、お客さまのカーボンニュートラルに対する新たな取り組みを支援することで、事業機会をさらに広げていく考えです。環境・エネルギー分野では、長年コーティング開発に携わってきた二次電池が、再生可能エネルギーの蓄電設備の普及拡大とともに再び脚光を浴びてきており、今後の新たな展開が期待されます。風力発電の分野でも、さまざまな取り組みが進行中で、今後の展開を期待しています。
また、新事業領域である農業機械や医療機器などの領域でも、徐々にではありますが、新しい芽が出てきています。特に医療分野は、今まで培ってきた半導体分野の技術を応用できる側面があり、当社の強みを活かしながら伸ばしていきたいと考えます。今後、新事業領域の開拓に向けた技術開発投資をさらに加速させていく考えです。このように中期経営計画で掲げている「成長戦略」に関する施策は、各分野で成果を上げてきており、将来の持続的成長に向けた経営基盤が着実に整いつつあります。

100年企業に向けた持続的な成長に今後も邁進

コロナ禍が収束に向かっているものの、米中対立やウクライナ情勢など地政学的リスクが当社にとっての懸念材料の一つと考えています。また、市場シェアの高いビジネスモデルを構築していることから、自然災害の発生時などを含めて、いかなる時もサービスを止めることのないように、BCP(事業継続計画)体制の確立が重要であると認識しています。それとともに、人財基盤の強化をはじめとして、中期​経営計画に掲げるESG経営の課題を一つひとつ着実に実行していくことで、100年企業に向けた持続的な成長を果たせるよう、全員で邁進してまいります。
引き続き格別のご支援、ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

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