サステナビリティ環境廃棄物削減・環境保全

トーカロは、事業活動、製品、サービスが係わる環境負荷を常に意識し、廃棄物削減、有害物質の適正な管理などを通して、汚染の予防および継続的改善に努めています。

化学物質などの適正な管理

PRTR法に則り、化学物質の排出・移動量を届け出ています

トーカロは、2022年度、指定化学物質の環境への排出量、および移動量につき、PRTR法(Pollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出制度)に従い6物質について届け出を行いました。なお、排出においては法の規制基準を満たしています。

2022年度のPRTR法 第一種指定化学物質の排出・移動量
  排出量(kg) 移動量(kg)
  大気への
排出
公共用水域
への排出
当該事業所に
おける
土壌への排出
当該事業所に
おける
埋立処分
下水道への
移動
当該事業所の
外への移動
(産廃)
クロム及び
三価クロム化合物
10.2 0 0 0 0 6,230
コバルト及び
その化合物
802 0 0 0 0 1,800
トルエン 1480 0 0 0 0 670
ニッケル 9.8 0 0 0 0 8,820
ニッケル化合物 1.9 0 0 0 0 0
ほう素化合物 0 0 0 0 4.9 10,500
スクロールできます
  • 2021年度届け出のあったバナジウム化合物は、2022年度取扱量が1トンに満たないため、PRTR法での届出が0となっています。(PRTR法では、各事業所におけるバナジウム化合物の年間取扱量が1トン以上の場合に届け出ることになっています)
  1. 大気への排出でトルエンが480kgとなっています。
    有機溶剤(シンナー等)に含有されている物質で、自然乾燥による蒸発量(揮発性有機化合物 VOC)を使用量から推計した値です。

廃棄物の削減

一般廃棄物から特別管理産業廃棄物まで、全ての種類に対して適正な処理を行っています

  • 事業系一般廃棄物
    事業系一般廃棄物の多くを占めるものは、紙類です。当社では紙類の再利用・リサイクルに取り組み、製紙会社の協力を得て機密保持の上、溶解処理を行うことなどで削減に努めています。
  • 産業廃棄物
    産業廃棄物は廃油が39%と最も多く排出されています。これは、湿式研削機(ロールなどの研磨を行う機械)で使用するクーラントと呼ばれる研削油を添加した冷却水に由来するもので、90%以上が水道水で、廃棄後はセメント工場などの燃焼温度調整用に利用されています。
    続いて汚泥21%、混合廃棄物10%、鉱さい9%、廃アルカリ7%、ガラス・陶磁器くず6%、廃プラスチック5%となります。
    汚泥には溶射時に発生する廃粉塵が多く含まれています。溶射の粉塵は乾燥状態ですが、廃棄基準の厳しい汚泥として多くを処理しています。
    混合廃棄物は、複数の種類の廃棄物が混在し、分別しがたいものを指します。
    鉱さいとは鉱物滓のことですが、廃棄物処理では濡れているものはより管理の厳しい汚泥となります。トーカロでは現時点で濡れていなくても、濡れる可能性のあるものは汚泥として廃棄しています。
    廃アルカリの多くは少量の沈殿物を含むTD処理後の洗浄液で、ホウ素を含むため弱アルカリ性を示します。状況により汚泥として処理する場合もあります。
    ガラス・陶磁器くずは、耐熱レンガなどに加えセラミック系の研削材でリサイクルのできないものが含まれています。
    廃プラスチックは、材料容器や副資材などに加え、油が付着した紙くずや木くずなどを含みます。リサイクルの促進などにより、昨年に比べ廃棄量が減少しました。
  • 特別管理産業廃棄物
    ほとんどが、クロム含有材料(ステンレス鋼など)を使用する溶射で発生する粉塵を集塵機で回収したものです。溶出試験で規制値を超える場合があり、特別管理産業廃棄物として排出処理しています。
全廃棄物排出量の推移
全廃棄物排出量の推移
特別管理産業廃棄物の内訳
特別管理産業廃棄物の内訳
  • 2020年度特別管理産業廃棄物の有害廃棄物の実績を修正しました。
全廃棄物排出量/売上高の推移
全廃棄物排出量/売上高の推移

VOICE

環境に対する意識を共有し、環境にやさしい行動を展開する

石塚 航平(宮城技術サービスセンター(宮城TSC) FS製造課)

石塚 航平(宮城技術サービスセンター(宮城TSC) FS製造課)

私は製造課に所属しており、工程管理や、産業廃棄物処理等の業務を担当しています。加えて、2023年4月からは宮城TSC内での環境事務局担当に就任しました。自分の業務だけでなく、社内の業務を把握し、トーカロとして環境負荷低減に貢献できるよう、努めています。

環境関連業務には携わり始めたばかりですが、中でも課題だと感じているのは、環境系、廃棄物系関連の法令や条例に関する変更情報をどのように取得し、社内の取り組みにどのように落とし込んでいくか、という点です。また、拠点内すべての社員に自分と同じ環境意識を共有することが重要だと考えていますが、その共有についても難しい課題だと捉えています。

私自身、環境担当になって変化したことがあります。製造課所属として、今まではいかに良い製品を作ることができるかという点のみ考えてきましたが、それだけではなく、モノを作ったときに何を排出しているか、環境に対する影響がどのくらいあるかということも意識するようになりました。また、紙の使用量削減のために書類をできるだけPC上で確認するなど、日常の小さな行動も変化しました。

今後は、環境負荷低減につながる取り組みを社内業務に落とし込み、担当であるかどうかに関わらず、環境への意識を共有することが目標です。そして、環境にやさしい行動を拠点内の全員で推進していきます。

TOPICS

紙製の半透明クリアファイルを導入

当社のキャラクター「カエルンジャー」がデザインされたクリアファイルを作成しています。これまではプラスチック製のクリアファイルでしたが、脱プラスチックによる環境負荷低減のため、2022年度から紙製の半透明クリアファイルを導入しました。

「透明で中の書類が見える」というプラスチック製のよさと、「環境にやさしい」という紙製のよさを掛け合わせ、半透明のトレーシングペーパー製クリアファイルにたどり着きました。

当初は試験的に一部の社内使用から始め、現在は展示会でパンフレットを入れて配布するなど、社外の方にも配布しています。
ただ、プラスチック製のクリアファイルと比較すると、使用寿命や強度については少なからず改善点があります。より使いやすく、より環境にやさしい理想のクリアファイルを日々検討し、紙製クリアファイルを通して地球のことを考える機会を増やしていきます。

紙製クリアファイル
紙製クリアファイル

本社(神戸市)雑がみの資源化について

トーカロ本社(神戸市 ポートアイランド内)では、神戸市がポートアイランド・六甲アイランドの事業者を対象に実施されている事業者から排出される古紙(雑がみ)資源化の取組に2020年3月より参画しています。本社内で多く発生するシュレッダーダストを回収し、契約している運搬業者により神戸市の指定場所に運び込んでいます。

大気汚染対策

溶射の工程で発生した粉塵は、大気に放出せず安全に回収しています

トーカロの主要な加工製品は溶射による表面改質皮膜です。溶射は粉末または線材を材料として、燃焼炎(フレーム)やプラズマジェット中に供給して溶融加速させ皮膜を形成します。
加工工程の中で、溶融しなかった粉末や溶融加速させても付着しなかった材料は粉塵となります。これらの粉塵を直接大気放出せず安全に回収するのが集塵機(写真)です。

溶射は乾式法であるため廃液処理の問題はなく、集塵方法も主に乾式を採用しています。溶射専用の作業室(溶射ブース)に浮遊する粉塵は、ダクトで集塵機に送り込まれ装置内の織布や不織布でできたフィルターを通してろ過捕集します。フィルター表面に捕集した微粉塵層が厚くなると目詰まり状態となり、圧力損失が大きくなり集塵効率が低下するので、圧縮空気(パルスジェット)で間欠的に払い落とし、効率を復帰させる仕組みになっています。

回収した粉塵のうち、再利用できるものはリサイクルし、できないものは産業廃棄物として処理します。
なお、2022年度末時点で 硫黄酸化物(SOx)の発生は確認されていません。

カートリッジ式集塵機
カートリッジ式集塵機

土壌・水質汚濁対策

周囲の地域に直接影響を与える土壌と水質だからこそ充分な対策に努めています

神戸工場では、溶射ではない表面改質を行っています。除害処理の必要な工場排水は凝集沈殿設備にて無害化したあと、下水道に排水しています。万が一工場排水が漏洩した場合に備え、コンクリートで浸透防止しており、かつ漏洩が迅速に分かるよう目視で確認できるところに配管などの設備を配し、さらに、漏洩水が拡散しないよう拡散防止材などを常備しています。その管理は、関係法令基準を遵守し、定期的な監視測定を実施するなど厳格な体制で臨んでいます。

工場排水の処理フロー(凝集沈殿設備)
工場排水の処理フロー(凝集沈殿設備)

騒音対策

防音壁を設置し、騒音測定も定期的に実施しています

当社の騒音に関連する特定施設は、主に空気圧縮機、集塵機などの送風機が該当します。しかし、特定施設以外にも騒音発生源はあり、これら設備は、建屋内への設置や専用の防音壁を設けるなどの防音対策を実施して、近隣へ迷惑をかけないように努めています。
また、定期的に騒音測定を実施して規制値内であることを確認しています。

専用機器を使った騒音測定
専用機器を使った騒音測定

環境貢献団体への支援

当社の活動が地球環境保全の一助となるべく、以下の環境貢献団体への支援をはじめました。今後も緑化活動や生物多様性の保護などの環境保全活動を応援していきます。

公益財団法人国土緑化推進機構「緑の募金」に2023年5月に50万円の寄付を行いました。
「緑の募金」は、身近な地域や国内外の森林整備のほか、被災地支援や森林環境教育、海外の緑化支援等に役立っています。今後も当社は国内外の森林保全・緑化推進の取り組みを支援していきます。

​また、2022年8月から、WWFジャパンの法人会員として、WWFの環境保全活動を応援しています。

WWFは100カ国以上で活動している環境保全団体で、1961年に設立されました。人と自然が調和して生きられる未来をめざして、失われつつある生物多様性の豊かさの回復や、地球温暖化防止などの活動を行なっています。

社会貢献については以下リンク先で詳しくご覧いただけます。​
詳細はこちら

緑の募金:https://www.green.or.jp/bokin/​
​WWFジャパン:https://www.wwf.or.jp/​

国土緑化推進機構理事長感謝状
国土緑化推進機構理事長感謝状
WWFジャパンについて詳細はこちら
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