技術情報 Technical
CDC-ZACコーティング
CDC-ZACコーティングプロセスとは
化学反応を利用して酸化クロム(Cr2O3)を主成分とする複合セラミックス皮膜を形成する方法です。高密度、高硬度皮膜、高密着力、低い摩擦係数などの優れた特徴があります。耐摩耗性や耐食性が要求される機械部品に抜群の威力を発揮します。 皮膜特性
■高密度
形成された皮膜は、平均粒径が約2μmの酸化クロム系複合ファインセラミックで構成されており、高密度な皮膜を形成します。■高硬度
Hv1,600〜2,000の硬質セラミック粒子から構成されていますが、皮膜硬度としてはHv1,000〜1,200を示します。■高密着力
皮膜内に母材のFeが、母材内に皮膜中のCrがそれぞれ相互拡散した化学的結合による中間層を形成していますので、極めて高い密着力を有します。■高い粒子間結合力
化学緻密化処理によって皮膜内に生成される酸化クロムは、ベースを構成する他の複合酸化物と化学的に結合し、極めて強固な粒子間結合力を有します。皮膜特性
■耐摩耗性
高硬度、高密度のCDC-ZAC皮膜は極めて優れた耐摩耗性を発揮します。これに加えて皮膜を構成する酸化クロムは平均2μmの超微粒子であるため、この微粒子が潤滑効果を高める働きをしてさらに耐摩耗性を高めるとともに、摺動部分の発熱量を抑える働きを果たしています。■耐食性
海水、塩基、および殆どの酸や溶剤に侵されませんが、塩酸やフッ素、および硝酸などに対しては充分な耐食性は得られません。右の表は社内試験の結果を示したものですが、実機に使用する場合は母材の材質の選定も長寿命化への大きな要因となります。■重水素の透過量軽減 (水素透過量軽減例.pdf資料提供: 独立行政法人 日本原子力研究開発機構)
600℃での重水素透過量を1/1000に低減する事に成功しました。| 腐食液 | 5% NaCl | 5% HCl | 1N NaOH | 5% H2SO4 | 96% H2SO4 | キャス | 36% HCl |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 状況 | 168hr 異常なし |
168hr 異常なし |
168hr 異常なし |
144hr 異常なし |
144hr 異常なし |
144hr 異常なし |
72hr わずかに腐食 |
適応範囲
■膜厚
30μmから100μmの範囲で膜厚形成が可能。標準膜厚は50μm。■母材
炭素鋼、合金鋼、鋳鉄、ステンレス鋼、チタン、インコネル、セラミック焼結体などにコーティング可能。アルミニウムでは陽極酸化皮膜を前処理として形成が必要です。■加工物の形状・寸法
最大外径400mm、最大長さ2,000mm、最小内径3mmまで処理可。複雑な形状もコーティング可能CDC-ZACコーティング 加工プロセス概念図
ZACROM
■特徴
■耐食性
下記の比較写真をご参照下さい。スーパーZAC
スーパーZACコーティングは、シリカ(SiO2)とクロミア(Cr2O3)を主成分とする複合セラミックス皮膜で、CDC-ZAC コーティングの耐食性をさらに改善した新皮膜です。
耐熱性、耐摩耗性に優れ、従来ガラスライニングや樹脂ライニングでは耐えられなかった温度域での腐食環境下でも優れた耐食性を発揮します。
また、母材の膨張・収縮に対する追随性にも優れ、熱膨張係数の高いオーステナイト系のステンレスなどへも適用が可能です。
■耐摩耗性
右のグラフは、大越式摩擦試験の結果を示したものです。スーパーZACコーティングは、SUSステンレス鋼やSS400鋼に比べて優れた耐摩耗性を有しています。摩擦速度を変化させても比摩耗量の変動は小さく、広範な使用条件においても安定した耐摩耗性を発揮します。■耐食性
下記の比較写真をご参照下さい。